【アメコミ初心者必見】アメリカの漫画の基礎知識
アメリカの漫画の種類
①カートゥーン(cartoon)
新聞や雑誌、ニュースサイトなどに掲載される、風刺またはギャグを志向する1コマ漫画。イラストの下に短いキャプションをつけただけのシンプルなものもあれば、枠線や吹き出しを用いた”漫画らしい”ものもある。
ご存知の通りカートゥーンにはアニメーションという意味があるため、検索する際にはポリティカル・カートゥーン(politial cartoon)やギャグ・カートゥーン(gag cartoon)で検索することをおすすめする。
②コミック・ストリップ(comic strip)
コマ割り漫画のことだが、アメリカではその中でも特に新聞や雑誌に掲載されているものを指す。
新聞や雑誌に掲載される漫画というと、1話完結の日常物やコメディを思い浮かべるかもしれないが、ジャンルの幅は広く、連続物も存在する。また、コマの数に決まりはなく、作品によっては丸1ページ使っているものもある。
③コミック・ブック(comic book)
コマ割り漫画と広告を掲載した冊子状の雑誌。1冊につき1作品1話、約32ページ、B5サイズ、フルカラー印刷、月刊が標準的な出版形式。価格は1冊4ドル程度であるが、基本的に再販されることはないため、発売から時間が経過するとプレミア価格が付けられる。
④グラフィック・ノベル(graphic novel)
描き下ろし漫画や文学的なコミック・ブック連載漫画などのこと。詳しくは椎名ゆかり氏の「『グラフィック・ノベル』とはなにか?」を参照。
⑤ウェブコミックス(webcomics)
ウェブ連載のコマ割り漫画。
コミックスの意味
コマ割り漫画という意味で使われることもあるが、アメリカの日常会話では主にコミック・ブックとグラフィック・ノベルを指す。
コミックスの分野
①メインストリーム・コミックス(mainstream comics)
大手2大コミック出版社のDCコミックスとマーベル・コミックスが出版したコミックス。
②オルタナティヴ・コミックス(alternative comics)
メインストリームに対し、漫画家個人もしくは非大手の独立系コミック出版社が出版したコミックス。
③ライセンスト・コミックス(licensed comics)
小説、映画、ドラマ、玩具など、既存の他メディア作品のコミカライズ版やスピンオフ・コミックなどのこと。
④アンダーグラウンド・コミックス(underground comix)
1954年に制定されたコミックス・コードと1960年代のカウンター・カルチャーを背景に現れた、漫画家個人または小規模出版社が出版したコミックス。
アメリカの漫画の流通事情
カートゥーンの単行本、コミック・ストリップの単行本、グラフィック・ノベルは書店で販売されているが、コミック・ブックとコミック・ブックをまとめた単行本は主にコミック専門店で販売されている。