【東京コミコン2025 失敗談】巨匠フランク・ミラーにサインを書き直させてしまった話

イベントとお祭りが苦手でコミコンをずっと避けてきたのだが、アメコミを読み始めた中学生の頃から憧れていた巨匠フランク・ミラーが来日しサイン会をするという告知を見て東京コミコン2025に行くことに決め、12月5日開催初日に幕張メッセに行った。

会場到着後すぐにアーティストアレイのフランク・ミラーのブースへ行き、コスプレをした係の女性から13:00~14:30のサイン会の整理券を受け取った。

家から持ってきた小プロの『ダークナイト』にサインを貰おうと思っていたのだが、気が変わって物販の列に並んで『バットマン&ロビン ザ・ボーイワンダー#1』の東京コミコン2025限定ヴァリアントカバーを購入し、これにサインをしてもらうことにした。

サイン会まで1時間ほど会場内をぶらぶらした後、フランク・ミラーのサイン会の列に並んだ。

私が来た時点で既に長蛇の列ができていたので、どんな流れなのかずっと観察していた。

サインしてもらう点数を伝え、お金を払い、サインをしてもらう。そして最後にエアスプレーで乾かしてもらう。

流れの把握は完璧のはずだったのだが、事件は起きた。

サインしてもらう点数を伝え、お金を払い、サインをしてもらう。ここまでは順調だった。

しかし嬉しさと興奮のあまり、なんとサインを乾かしてもらうのを忘れて条件反射的にビニールに突っ込んでしまい、せっかくのサインが台無しになってしまったのだ!

ショックのあまり立ち尽くす私。固まる乾かす係の男性。

するとすかさず、フランク・ミラー先生と乾かす係の間に座っていた男性スタッフが「すみません。僕のせいです。」と私のコミック・ブックをミラー先生に渡して、「すみません。私のせいなんです。書き直してあげてくれませんか。」とお願いしてくれたのだ。

苦笑いする女性スタッフ、「なんて失礼なことをしちゃったんだろ。怒らせちゃったかな。」と完全に血の気が引いて落ち込む私、ちょっと緊張気味のお願いしてくれた男性スタッフが見守る中、ミラー先生は無言でそれまで持っていた赤いペンから黒いペンに持ち替えて「FM」とサインしてくださった。

お願いしてくれた男性スタッフが半笑いで「すみません。(乾かすことを)言い忘れてしまって。」と言うと、ミラー先生はへっへっと笑いながら「お前悪い奴だなあ(ちゃんと聞き取れなかったけど多分こんな感じ)」と言って乾かす係に私のコミック・ブックを渡した。

乾かす係の人に「今度はちゃんと乾かすんだよ。いいね。気にしないで。アートだよ。アート。」と励ましの言葉を頂き、恥ずかしさと申し訳なさと感謝で頭の中がぐっちゃぐちゃの中、カタカナ英語で「センキュー」と伝えてその場から離れた。

フランク・ミラー先生、そして心優しいスタッフの皆様、余計な気を使わせてしまい本当にすみませんでした。そしてわざわざ書き直していただき本当にありがとうございます!

正直初めはかなり落ち込みましたが、興奮とスリルと暴力に満ちたこの作品にぴったりの表紙になったと思います。

それから私の後ろの方、余計にお待たせてしまい申し訳ありませんでした。

ちなみにこの後私はワーナー・ブラザースのブースで、『バットマン:ザ・ダークナイト・リターンズ』のTシャツとトートバッグ、クリアファイル(他にもバットマン関連をいくつか)を買って人生初のコミコンを終えた。

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